住宅の床やドアなどにできたキズを修理することを、リペアといいます。傷んだ部分だけを修理するため、短い時間で工事でき、費用を抑えられることが魅力です。
しかし、その反面、リペアした部分が目立ってしまうことがあります。目立たないためには、補修する材料選びも大切です。
この記事では、住宅の修理をするリペアについて、補修材料の選び方などを解説します。
住宅を修理する「リペア」とは?
住宅のリペアは、床やドアなどにできたキズなど、劣化した箇所の修理をすることです。 おもに、フローリングのキズや、ドアや外壁などが部分的に剥がれた場合の修理が行われます。欠陥箇所をピンポイントで修理するため、そのほかの部分を解体したり取り換えたりする必要がないことが特徴です。
破損した箇所の修理や補修なので、リフォームとどう違うのか疑問に思われるかもしれません。実は、リペアとリフォームには明確な違いがなく、業者が独自で使い分けています。一般的にリペアは、破損部分を塗料などで補修することをいい、外して新しいものに取り換えることはありません。一方、新しいものに交換する工事を、リフォームということが多いです。
住宅でキズや剥がれなどが気になるようになると、修理をするにはリフォームと考えるかもしれません。たとえば、フローリングのキズが気になる場合、色を変えてイメージを一新したいなら、リフォームが適しています。しかし、キズの見た目が気になるだけであれば、リペアでキズだけを補修できるので、リペア業者への相談がおすすめです。
住宅のリペアに使われる補修材料の種類
リペア用の補修材料には、さまざまな種類があります。補修材料は、修理が必要な箇所の大きさや形状、質感や耐久性などさまざまな角度から、より適したものを選ばなければなりません。住宅のリペアで使われることが多い、5種類の補修材料を紹介します。
1.ハードワックス
ハードワックスは硬度が高いことが特徴ですが、コテで溶かすと水のような柔らかくなります。そのため、色混ぜが簡単にでき、修理する場所に合わせた色がつくれます。
壁や天井などにできた、凹みキズを充填するのに適しています。
2.リペアジェル
リペアジェルは下地調整も使える、ジェル状の瞬間接着剤です。
床などのほかに、サッシやユニットバスにできたキズの充填材にも適しています。
3.ポリパテ
ポリパテは、塗装がされていない木の色に近いパテです。
白木にできたキズなどに、充填剤として適しています。ハードワックスでは対応しきれないような、大きなキズの補修に使うとよいでしょう。
4.エポキシパテ
エポキシパテは、硬度と密着性が高い、補修用のパテです。粘土のように混ぜて使うため、自由に色をつくれます。
木だけでなくサッシにも使えるほか、石などの堅い素材の補修にも適しています。
5.カラースプレー
カラースプレーは色剥げなどで、着色する際に使用する補修材料です。
床や壁ではなく、ユニットバスなどの補修に適しています。
住宅をリペアするメリット・デメリット
傷んだ床や壁など、全面を新しくするリフォームとくらべて、傷んだ部分だけを修理するリペアには、どのようなメリットがあるのかを解説します。また、リペア工事を依頼する際には、メリットだけでなく、デメリットも知っておくことが大切です。
リペアのメリット①費用を抑えられる
傷んだ部分だけをピンポイントで修理するリペアだと、新しいものと取り換えるリフォームとくらべて、費用が安いことが大きなメリットです。
フローリングにできた小さなキズやへこみの修理で、リペアにかかる費用は1~3万円程度が相場です。しかし、リフォームでフローリングの張り替えをすると、6帖だと6~15万円程度に費用がかかります。浴槽や外壁など、リフォーム工事が大掛かりになるほど、リペアとリフォームの費用の差が大きくなります。
リペアのメリット②工事期間が短い
リペアは、リフォームよりも工事期間が短いことも、メリットの一つです。破損した部分のみを補修するため、補修材料もワックスやジェルなど簡単なもので、特別なものを取り寄せることはほとんど必要ありません。フローリングは1部屋だけであれば、リペアでもリフォームでも1日でできるケースがほとんどです。しかし、施工までの準備期間に違いがあります。
リペアの場合は即日の施工が可能ですが、リフォームは色や素材を決める打ち合わせや、床材の取り寄せなどに時間がかかります。また、部屋の家具などをすべて移動しなければ、施工できません。破損箇所だけを修理するリペアは、準備の負担が大幅に軽く済みます。工事期間は、破損箇所の大きさや補修する建材などによっても異なるため、工事を依頼するときに確認しましょう。
リペアのメリット③家の思い出を大切に残せる
リペアは必要な箇所のみ修理をするため、大切な箇所がある場合はそのままの状態で残せます。たとえばドアのキズを補修する場合、リフォームだと新しいドアに付け替えます。複数のキズの中から1つだけはペットがつけたもので、記念に残しておきたいと思った場合、リペアなら可能です。
また、ドアそのものに思い出がある場合、リペアならドアがそのまま残ります。
リペアのメリット④廃棄物の削減
リペアは部分的に補修するため、基本的に廃棄物が出ません。地球環境にやさしい工事といえるでしょう。リフォームの場合は、現在のものを廃棄して新しいものに取り換えるため、古いものは産業廃棄物となるのです。
リペアのデメリット:対応できないケースがある
リペアのデメリットは、すべてのキズや傷みがリペアで修理できるとは限らないことです。広範囲にわたる場合や、全体的な劣化が原因の場合には、リペアではなくリフォームで新しくしなければならないことがあります。
リペアが可能かどうかは、リペア業者に相談してみてください。
まとめ
住宅のリペアには、ハードワックスやリペアジェル、パテやカラースプレーなどの補修材料が使われます。珍しい色の場合、リフォームだと取り寄せに時間がかかることもありますが、リペアでは色を混ぜて素材に合う色が作成可能です。大掛かりな準備が不要なため、日程の都合が合えばすぐに工事ができることも、リペアのメリットといえます。
家のキズや傷みは、リペアで修理しませんか。